5月診断士フォーラムを開催しました

今回は、当会の「地域活性化研究会」により、「観光振興につながる「案内標識」のあり方に関する調査研究報告」とのテーマで、2025年5月18日に岡山県生涯学習センターで開催いたしました。

はじめに、本調査の目的としては、岡山県の観光振興・発展に寄与する「案内標識」の在り方の検討にあります。背景としては、訪日外国人旅行者が増加している現実を踏まえ、政府は2024年11月現在、訪日外国人旅行者数3,300万人、旅行消費額約5兆円の中、2030年までに訪日外国人旅行者数6,000万人、旅行消費額を15兆円まで増加する目標を掲げています。「ますます増加すると予想される訪日外国人旅行者と日本人旅行者に対する配慮としては、訪問先の地理に不案内な観光客がストレスなく安心して一人歩きできる、親切でわかりやすい「案内標識」の実情と、より良い「案内標識」とは何かを検討する必要性にあります。また「案内標識」の概要をご説明頂く中で、「指示標識(特定地点への誘導するための情報提供)」「同定標識(地名・施設の名称・内容等の情報提供)」「図解標識(現在位置や周辺の施設等の情報提供)」に分類されることや、その役割など受講者の基礎知識・観る目を養う点を含めて安藤覚先生・大西修先生からご解説頂きました。
ついで、案内標識の現状を津田聡子先生(LINEコーディネーター)より、広島市・高松市・岡山市・倉敷市をサンプル比較し、「アクセス性」「魅力発信性」「回遊創出性」「ユニバーサルデザイン性」「維持管理性」の5要件を切り口として事例を用いて比較調査結果を改善点なども含めて評価ご説明いただきました。
この調査結果を受けて、「これからの案内標識の課題」「観光振興につながる「案内標識」の在り方に関する提言」を大西修先生、津田健治先生から御講義頂きました。この結果は、国土交通省「道路のユニバーサルデザイン化推進のための事例」統計資料等にも数値的に同期するものであり、課題明確化とその後の提言にも通じるものです。「訪れてもらって、初めて価値が出る」認識のもとに多言語・デジタル化・リアルタイム情報提供などの必要性を明示されているものでもありました。

インバウンドの獲得は、岡山県の経済効果の向上、地域活性化、国際交流促進など多角的なメリットをもたらします。その意味から戦略的な取組を進めることで、持続可能な地域社会の発展にもつながると改めて認識するものとなりました。
また、会員からは活発な質問も飛び出し、質疑応答の場は時間いっぱいまで持たれる有効な機会となりました。

フォーラム委員会では、今後も診断士活動に役立つフォーラムを企画して参ります。
積極的なご参加をどうぞよろしくお願いいたします。